12 一年生の舞妓さん

12 一年生の舞妓さん

デビューしたての舞妓さん

 以前、舞妓さんは上級生と下級生で装いが変わるということを書きましたが、今回は「一年生」の出たての舞妓さんについて。
 よく知られているのは一年目はお紅を下紅しか引いていないということと、前挿しのかんざしに顎のあたりまで垂れるふさがついている、ということでしょうか。これらは一目見てわかる初心者マークのようなもので、舞妓さんのいちばんおぼこい姿といえます。一年限定の希少な姿にも関わらず、まだ15歳ぐらいのぱんぱんにふくれたこの時期の写真は一度も見返したくないという人がほとんどのため、画像検索はしないで欲しいというのが本当のところです。
 それから見えない部分では厚底のお草履、おこぼの中に「鈴」が入っているということ。歩くたびにしゃんしゃんしゃんと良い音が鳴らせられるのはこの頃だけです。舞妓さんのだらりの帯に屋形の家紋が大きく入っていることと通じるように、舞妓さんはもともと8つか9つの子供がしていた職業。鈴は居場所を知らせるため、家紋は迷子になってもお家に戻してあげられるように、と実はしっかりとした理由のある工夫です。

一年生のきまり

 装い以外の細かなルールといえば、お昼間の「ご挨拶周り」。一年生はまず町中のお茶屋さんに顔と名前を覚えてもらわなければなりません。そのため、毎日お稽古が終わると特に用事もないのに全軒、回ります。文言は「こんにちはお母さん、いつもおおきに、またおたの申します」というもので、お留守であればこれを一筆箋に書き、置いて帰ります。毎日のことなので塩梅ですが、大体三十軒ぐらいでしょうか。出てきてくれるお茶屋さんの方でも少し面倒くさそうな感じだったのが忘れられませんが、ここで顔を覚えてもらえるとお座敷に呼んでもらえたり、会の時に気にかけてもらえたり、良いことはたくさんあります。
 それから一年目の持ち物は「赤」か「ショッキングピンク」のみというものや、日傘と冬のショール(肩掛け)は2年生から!という厳しい決まりもありましたが、少しずつ緩和されているようです。なんてったって、京都の夏と冬はもうそんなことを言ってはいられない状況です。

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