「舞妓さんの必需品」

「舞妓さんの必需品」

こだわりの「籠」

 芸舞妓さんがお座敷に行く時にもつ鞄のようなものは、巾着に竹編みの土台がついたような格好のもので、見た目のとおり「籠」といいます。三十センチぐらいの横幅があって、着物の長いすそを持った左腕にちょんと乗せる格好で持ち運びます。実は籠は身につけるものの中で唯一、自分の個性を出しても怒られないという風潮が街に漂っているので、よ~く見ているとそれいいんだ、みたいな柄の籠を持っている芸舞妓さんがいたりします。
 というのも、布の部分は擦れたり汚れたりすると好きな布や帯揚げ、風呂敷を袋物屋さんに持っていって張り替えてもらう、という仕組みになっているからです。四条のノムラテーラーに時々舞妓さんがいるのはそんな理由から。私の場合は少し高いけど帯揚げや風呂敷で作るのが正当でしょ?みたいな生意気なタイプだったので、キャラクターもののちょっとポップな布で籠を作る人を一瞥していた節はありますが(生意気)……。


舞妓さんの持ち物

 そんな籠の中には何を入れているかというと、まず踊りに使うお扇子、手拭い。それからお化粧道具や予備の千社札、櫛などで、三角袋という小さく折りたためる袋鞄も必須です。
 芸舞妓さんの必需品というと、籠の中だけには収まりません。着物には収納できるところがたくさんあります。必ず言われていたのは、白いハンカチは一枚ずつ両たもとに入れておく、ということ。お酌をするときや、何か食べるときに襟に挟むなど、何かと使います。そのハンカチには刺繍で自分の名前が入っていて、宴会場で無くし、タクシーで無くし、と繰り返してもそのおかげで多くは自分の手元に戻ってきていました。すみません。
 名入れの刺繍は高島屋の4階に行くとやってもらえるので、ぜひ。
 着物に忍ばせているもの二つ目は手鏡です。よーじやさんに6センチぐらいの小さな手鏡があるのですが、これはもう全員持っていました。大体帯の手前に差しこんで、お紅汚くなってないかな、とかおしろいがはげてないかな、とか。忘れた時はもう早く屋形に帰りたい、というぐらいこれが無いと不安です。


舞妓のお洒落

 それから、扇ぐ用のお扇子と懐中時計も帯にさしていますが、これはほとんどおしゃれです。お客さんと話している時になんとなく手持ち無沙汰になったり、空気を変えたい時にお扇子を開いたり閉じたり、扇面に書いてある詩に思いを馳せたり?
 懐中時計も、舞妓さんは人から呼ばれるまでお座敷から移ることはないので時間なんて見なくて良いのですが、時計から垂れる根付けを帯から見せるのを気に入って、よくつけていました。これも2回無くしています。
 そんなこんなでちょこまかとした小物を芸舞妓さん、たくさん着物に忍ばせています。どれが実用性のあるもので、どれをおしゃれで持っているかは人それぞれだと思いますが。お洋服ではそんなことができなくて、少し寂しいです。

 

ブログに戻る