2025年1月 正月 やわめ

 京都にはHORIBA(堀場製作所)があります。排気ガスの計測機器で名を馳せる会社と認識しています。

 大きな会社がしばしばそうであるように、HORIBAは企業カレンダーを毎年作って配布しています。これが素晴らしい。詳しくはインターネットで検索してアーカイブページを見ていただきたいのですが、毎年テーマ「鳥」とか「葉っぱ」とかがあって、それに合わせて365日、1日1種の細密画と解説がついているのです。これ作るのすごくたいへんだろうな、と容易に想像ができます。そんな手間暇をかけてカレンダー作ってる会社っていいなと思うわけです。

 だいたい企業が年末に無料配布してるカレンダーなんか、惰性でやってるように感じるものばかりで面白くもなんともない。その中で一等光って、抜きん出ているのがHORIBAのカレンダーというわけ。

 このように、隙がある、あるいはデッドしている部分が世界にはまだまだある。そんなの面白くもなんともないと思って無視するのは自由ですが、皆は面白く思ってないけどだからこそ面白くしようよ
というような姿勢も大事だなと思います。

 さてこのHORIBAのカレンダーは、僕の教え子が毎年送ってくれます。でも連絡先も知らないし「ありがとう」を伝えられてなかったのですが、ふと送り主欄に電話番号があるのに気づきました。かけてみたら部署に直通で、話ができました。「実は300部だけ販売もしてるんですよ」と言うので見てみたら、11月末時点でもう売り切れていました。いいものは、宣伝なんかしなくても評判になるものです。知ってる人はいるんだな。

 新しいカレンダーめくる緊張感も新しい手帳の一筆目も一瞬で、あっというまに年が過ぎていきますね。こないだ誕生日だと思ってたのに、また誕生日だよ、って。日々いろんなことが降り注ぎ積もっていきますが、毎日積もったものに隠れた芯の存在を忘れずに。新しい心で生きたいものです。



2025.1 Yosuke Sakai

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