「舞妓さん呼ぶにはいくらかかるの」

「舞妓さん呼ぶにはいくらかかるの」

舞妓さんのお金事情

 舞妓さんのお金事情について少し書いてみようと思います。よく聞かれるのがタイトルにもあるような質問で、これを聞かれてしまうと「うーん」と困ってしまうばかりなのですが。
 というのも、「よくわからない」が答えだからです。おい、逃げるな! ずるいぞ!というヤジが聞こえてきそうですが、本当です。厳密に言えばうっすらとはわかるような気がしますが、聞く人によって違ったり、時期によって違ったりして結局よく分かりません。教えて欲しいぐらいです。

お花へ行く

 さて、お座敷のことを花街では「お花」と呼びます。今聞くと不思議な感じですが「今日お花何時から?」とか、お稽古着ではない着物を「お花行き」というのが日常でした。そうなると、お座敷にかかる料金のことは「お花代」と呼ばれます。なぜ私がお花代について知らないのかというと、奉公期間(住み込み)の7年はお給料がないから(自分がいくら稼いでいるのかしらない)ということになります。15歳のなにもない少女を一人前の芸舞妓さんに育てるための投資や稽古代、衣食住にかかるお金をお花に行ってお茶屋さんにお返しできるのに7年、というシステムです。

花街の7年間

 それでもこれに関してよかったなあと思うのは自分がいくらぐらいで呼ばれているなんて知らない方が精神衛生上良いと思うからです。お客さんについてもどんな職業の人かこちらから聞くのはタブーだったので、石油王にだって会ってたかもしれないけど分かりません。そして、どんなお客さんも「お兄さん」と呼ぶせいで、あの人何してる人なんだろう? 名前なんていうんやろう? なんてことも多々あります。水商売にしては珍しいぐらいフラットでなかなかいいことなんじゃないかな。お金が欲しくて働くわけではなく、「舞妓」や「芸妓」という種類の人間として舞台やお座敷に懸命になれたのは贅沢で貴重な経験だったと思います。8年目からは独立するのでこんな生き方は花街でも7年限定ですが。

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