2024年11月 霜月 やわめ
《祇園 花見小路 ちょぼやは僕の駐輪場》
普段はあまり行く用事もない祇園エリアですが、鍵善(菓子屋)さんや、遊亀(居酒屋)あたりに用がある時には、履き物屋の「、や(ちょぼや)」さんにメッセージして、店前に自転車停めさせてもらっています。
ちょぼやさんは下駄、草履の職人で、多くのほんまもんの芸舞妓さんの足元を作っておられます。ものすごく狭い店内は、どうかな、3畳くらいでしょうか。基本、その足に合わせたオーダーメイドなので既製品をたくさん並べるスペースは必要ない。主人が座敷にちょんと座って仕事して、あとはお客さんが2人くらい入ったらもう一杯みたいな空間で十分なのだそう。これは初代が考えた工夫で「少しのお客さんで一杯になってる方が、すいてるより見栄えがええ」ということです。
このちょぼやさんにWLKはとてもお世話になっていて、先日も良い仕立ての鼻緒職人を紹介してもらいました。HANAO SHOESにとって「鼻緒の魅力」はとても大切なので、ありがたいことです。
昔、HANAO SHOESを発売する際にちょぼやさんを訪問したことが懐かしい。当時は職人=気難しいステレオタイプなイメージを持って訪問し「あの、こういうものを作ろうと思っているんですが...」とおそるおそる聞いてみると、「あ、このスニーカー見たで。おもろいからパクろうかと思っててん!」と言われて面食らったことはいい思い出です。
今は僕専用の祇園の駐輪場となっているラフな関係性、大事にしていきたいと思います。
そういえば、左京区にあるフレンチの名店「アルザス」もちょぼやんに連れてってもらいました。ドイツとの国境にあるアルザス地方のローカルな料理を食べられる、とってもいい店です。基本満席なのでなかなか行けないけど、また行きたいな。
さて、祇園に話を戻すと、最近の夜の祇園は外国人だらけ。うん外国人しかいないって感じ。空気が外国人なので、どうしてもお店もそれに流されそうだと思いました。ここから5年くらいでまた花街の風景も変わりそうです。
2024.11 Yosuke Sakai